テクニカルライティングと
技術翻訳の秘訣(増補版)
4.1 OKとNG
OKgood (okay), NG no good のことです。しかし OK は昔から立派な英語ですが、NG は実は和製英語です。よって英語を母国語にしている人に NG と言っても通じません(正確には通じませんでした)。

NG はもともと日本のエンジニアが、OK を基にして考え出した略語です。非常に的を得た略語ではありませんか。
このため日本語で書かれた技術文書にはいやという程 NG がでてきます。
しかしこれを英語に翻訳する者にとっては非常に厄介な物でした。
日本語原稿に NG と出てくるたびに no good にしようか、failure がいいかな、それとも error かな、と悩まなければなりませんでした。
おそらく勇気のある(なまけ者の?)翻訳者はそのまま NG として英語にしていたのだと思います。

そのおかげかどうか分かりませんが、最近の英和辞書には no good の意味で NG が載っている物も出てきました。
サムライやハラキリのように元々日本語であった NG もそろそろ英語社会で通用するようになり始めたようです。

日本の翻訳者の皆さん、ここでもう一押し頑張って英語の文章中に NG を連発して、NG を押しも押されもしない立派な英語にしようではありませんか。

これと同じような経緯で、programmable controller の意味でのシーケンサー(sequencer) もそろそろ英語でそのまま使ってもよいのではないかと思います。

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